IPO(新規公開株式)〔初心者のための投資用語解説〕

IPO(新規公開株式)とは?
IPOとは、「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規公開株式」や「新規上場」と呼ばれます。
一言で表しますと、「企業が証券取引所にデビューすること」です。
証券取引所デビューをするということは、今まで創業者をはじめとする一部の人たちしか持てなかった会社の所有権が、誰にでも見える形で売買可能になった。ということです。
▼「株式」とは、会社の所有権のことです▼
なぜIPOは投資家に大人気なの?
注目の企業がIPOを果たすと、投資家がお祭り騒ぎで盛り上がりますよね。
もちろん、理由があります。
IPO株は、上場する前に「公募価格(スタート前の定価)」で抽選購入できます。
実はこの定価、本来の会社の価値よりもあえて20〜30%ほど安く(ディスカウントして)設定されていることが多いのです。
そのため、上場初日に市場で取引が始まると、本来の価値(またはそれ以上)の値段がつきやすく、投資家にとって利益を出しやすい仕組みになっています。
通常の株を買うときは証券会社への手数料が必要ですが、IPOの申し込み・購入時の手数料は基本的に無料です。
IPO株のリスク・デメリット
魅力的なIPOですが、良い話ばかりではありません。
以下のリスクは必ず頭に入れておきましょう。
すべてのIPO株が値上がりするわけではありません。
市場の地合いが悪いときや、企業の評価が低かった場合、上場初日の値段がスタート時の定価を下回る(損をする)「公募割れ」が起きることもあります。
リスクの割に比較的ハイリターンな傾向があるため、買いたい人が殺到します。
人気のIPO株は宝くじのような倍率になり、「申し込み続けてもなかなか当選しない」のが最大の難点です。
個人投資家がIPO株を買う方法は?
- 証券口座を用意する
IPOを取り扱っている証券会社の口座を開設します。
※ネット証券が手軽でおすすめです。 - ブックビルディング(抽選)に申し込む
証券会社のマイページにログインすると「IPO(新規公開株)」の専用ページがあるので探してみましょう。
そこで、もうすぐ上場する会社の情報や、「〇〇円〜△△円の間で買えますよ」という価格の目安(仮条件)が発表されます。
その画面から「この株を100株、この価格で買いたいです」と意思表示をして、抽選に応募します。 - 当選したら購入する
見事当選したら、購入手続きを行います。
上場日を待ち、初値で売却するか、そのまま長期保有するかを決めましょう。
証券会社によって、IPOの取扱数や抽選ルール(資金が多い人が有利なところ、完全平等なところなど)が異なります。
とはいえ実は、人気のあるIPOは希望者が殺到するため、公開価格が仮条件の上限付近、または制度上は仮条件の範囲外で決まることもあります。
抽選対象になるには、最終的に決まった公開価格以上で申し込んでいる必要があります。
そのため、実務上は上限価格、または証券会社によっては「どのような価格で決定されても購入します(ストライクプライス)」という形で申し込むのが一般的です。
【初心者は、ここに注意!】
日本の株の場合、申し込みは「100株単位」が基本になるため、まとまった資金が必要になります。
例えば、仮条件の金額が「1株 2,000円」だった場合、最低でも 2,000円 × 100株 = 20万円(+手数料は無料) の資金が口座に必要になります。
1株の値段だけを見て安く買えると思い込まないようにしましょう。
なぜ企業はIPOを目指すのか?
投資家にとってお祭りであるIPOは、企業にとっても「悲願のビッグイベント」です。
企業には主に以下のようなメリットがあります。
- 大きな資金調達のチャンスがある
これまでは銀行からの借入などがメインだった資金調達が、世界中の投資家から広くお金を集められるようになります。
株式で集めた資金は、銀行借入のような返済義務がありません。
企業は借金せずに、新しい工場の建設や、大規模な新サービスの開発など、さらなる成長への大勝負に出ることができます。
※但し、返済義務のかわりに、上場後は株主への説明責任や情報開示義務が生じます。 - 社会的信用の向上と、ブランド力の強化が期待される
証券取引所に上場するためには、非常に厳しい審査をクリアしなければなりません。
つまり上場企業になることで、一定の社会的信用や知名度の向上が期待できます。
その結果、新しい取引先が増えたり、テレビやニュースで取り上げられて知名度が上がったりします。 - 優秀な人材を採用しやすくなる
知名度と信用が上がることで、就職活動中の学生や転職希望者から「安心して働ける会社」として選ばれやすくなります。
企業にとって一番の財産である「優秀な人手」を確保しやすくなるのも大きなメリットです。 - 創業者たちの「利益確定」
証券取引所には、「一般の人がいつでも売買できるように、一定以上の株数を市場に出す」というルールがあります。
そのため、創業者は上場のタイミングで、自分が持っていた株の一部を強制的に市場へ売り出すことになります。
これによって会社はルールをクリアでき、創業者は手放した株の代金として莫大な現金(創業者利益)を手にすることができます。
ゼロから会社を育て上げた創業者が、大きな報いを得る瞬間でもあります。 - 経営者の人生におけるリスクが減る
上場前の会社が銀行からお金を借りる際、多くの場合、社長個人が「連帯保証人」になる必要があります。
つまり、会社が倒産したら社長個人も破産するという、凄まじいリスク(個人負担)を背負っています。
しかし上場すると、会社の信用力が上がるため、この連帯保証人の義務から解放されます。
万が一のときに個人の全財産を失うリスクがなくなるのは、経営者にとって最大のメリットと言えます。
IPOは初値が公募価格を上回ることが多い一方で、必ず利益が出るわけではありません。
公募割れや上場後の株価下落により損失が出る可能性があります。申し込む前には、目論見書で事業内容・業績・リスク・資金使途などを確認しましょう。
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